偽装された自画像　画家はこうして嘘をつく　冨田章

商品の説明偽装された自画像―画家はこうして嘘をつく
冨田 章
祥伝社　2014

画家は必ず嘘をつく。画家が自画像に仕掛けた「偽装」には、驚くべき事実や、画家の隠れた一面が隠されていた。「悲劇」「野心」「プライド」「たくらみ」…。「偽装」の謎解きで、がらりと変わる名画の見方、二〇作品！十五世紀ルネサンスから現代までの「自画像」から見えてくる、もうひとつの西洋絵画史！

目次
１章　紛れ込む「たくらみ」―十五～十六世紀・ルネサンスとマニエリスム
　群衆の中の自画像―ボッティチェルリ・東方三博士の礼拝
　皮だけになった画家―ミケランジェロ・最後の審判
　子孫への教訓―ティツィアーノ・思慮深さの寓意
　歪められた顔―パルミジャニーノ・凸面鏡の自画像
　画中画のトリック―アンギッソーラ・ソフォニズバ・アンギッソーラを描くベルナルディーノ・カンピ
２章　仕組まれたリアリティ―十七世紀・バロック
　切られた首―カラヴァッジョ・ゴリアテの首を持つダヴィデ
　Ｘ線が暴いた事実―ルーベンス・四人の哲学者
　放蕩息子になった画家―レンブラント・放蕩息子の酒宴
　鏡と視線のマジック―ベラスケス・ラス・メニーナス
　教訓という隠れ蓑―ヤン・ステーン・大人が歌えば子どもが笛吹く
３章　本当の「私」はここにいる―十八～十九世紀・近代
　巨匠へのオマージュ―ヴィジェ・ルブラン・麦わら帽子を被った自画像
　画家のプライド―クールベ・出会い（こんにちは、クールベさん
　日本人になろうとした画家―ゴッホ・僧侶としての自画像
　社会の犠牲者として―ゴーギャン・自画像
　完璧主義者の描き直し―スーラ・化粧する若い女
４章　予言された悲劇―二十世紀・現代
　仮面と同化した画家―アンソール・仮面に囲まれた自画像
　老巨匠の隠された願望―ピカソ・自画像
　合わせ鏡の恐怖―スピリアルト・鏡の前の自画像
　嘘から出た真実―ブローネル・自画像
　私絵画の迫力―フリーダ・カーロ・ひび割れた背骨

一見写実的なはずだと思われる自画像こそ偽装されたものだということを示しているのだ。実に知的に面白い本だ。(レビューより)

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